パルスイートで血糖値が上がる?危険性については?
目次
パルスイートはカロリーなし、血糖値も上げないといわれている甘味料です。
本当にパルスイートは安全なのでしょうか?
糖尿病治療にも使われているパルスイートについて調べました。
パルスイートの成分
パルスイートは、次のような成分を合成してつくられた甘味料です。
パルスイートのホームページを見ると、「血糖値に影響のある糖類はほとんど含まれていません」なので、影響はゼロではありません。
それどころか、パルスイートには血糖値を上げてしまう影響があるのです。
パルスイートは血糖値を上げてしまう?
糖類が入っていないのに、なぜ血糖値を上げてしまうのでしょうか。
答えは、パルスイートの中に含まれている「アスパルテーム」にあります。
アスパルテームはアミノ酸を主原料として作られている甘味料です。
砂糖の甘さの200倍の甘さを持つので、200g砂糖を入れたいところを1gアスパルテームを加えるだけで同じ甘みが得られます。
カロリーゼロ、糖質0をうたっている飲料にはほとんどと言っていいほど含まれています。
砂糖200gよりもアスパルテーム1gのほうが安価で、運送が楽だからです。
アスパルテームは「フェニルアラニン」と「アスパラギン酸」というアミノ酸を主原料としています。
これらのアミノ酸を一緒に合成することによって、アスパルテームはインスリンとレプチンの放出を促進してしまうことが知られています。
インスリンは血糖値を適正にするために合成されるホルモンです。
レプチンは満腹感を感じさせて、体重を適正に保つ働きをしているホルモンです。
レプチンは骨格筋の糖利用を促進して、糖尿病を改善する働きがあります。
つまり、この2つのホルモンは糖を摂取した時に「糖が入ってきた、調整しなくては」と放出されるホルモンなのです。
糖質が入っていないから血糖値が上がらない、という理屈は正しいかもしれません。
が、血糖値が上がるときの反応と同じ反応を体に起こしてしまう物質が入っているということはやはり糖尿病には悪い影響があるのです。
糖尿病とは、血糖値の急激な上昇をインスリンで押さえようとしているうちに、インスリンを分泌する臓器である膵臓が疲弊してしまってインスリンを作れなくなる病気です。
たとえ糖質が入っていなくても、糖質が入ってきたのと同じ働きを膵臓がしてしまうとしたら、それは糖尿病の予防にはなりません。
血糖値は上がらないかもしれませんが、血糖値が上がった時と同じような疲弊度を膵臓に与えてしまうからです。
パルスイートの成分の詳細を解説
食品の表示は、含まれている量の多い順から並べていくことになっています。
粉末還元麦芽糖水あめ
別名マルチトース。砂糖の甘さの0.8倍です。
マルチトースはインスリン分泌を促すことはないという特徴があります。
エリスリトール
糖アルコールという人工甘味料です。
グルコース(ブドウ糖)を水素添加して還元して作ります。
身体への吸収率がブドウ糖に比べて減少するため、血糖値を上げにくくなります。
食物繊維(還元難消化性デキストリン)
食物繊維は糖尿病の治療にも使われる「第6の栄養素」です。
水分を含むと膨らむため、食物を包み込んで腸内をゆっくりと移動し、小腸からの栄養分の吸収をゆっくりにして血糖値上昇を穏やかにするという特性があります。
アラニン
アミノ酸の一種で、アルコール分解などに役立つ成分です。
アスパルテーム
人工的に作られた甘みのある物質、合成甘味料といいます。
健康被害があるといわれていて過剰摂取には注意したほうが良いといわれています。
また、長期間の摂取による健康被害の調査中なので、子どもが長期間摂取したらどうなるのか、大人が長期間摂取した場合はどうなるかという調査結果が出ていません。
L-フェニルアラニン化合物
神経伝達物質の一つです。
脳内でドーパミンやノルアドレナリンなどに合成されます。
自然のものを食べている場合、アミノ酸を単体で摂取するということはありません。
もちろん、フェニルアラニンを単体で摂取する機会もありません。
フェニルアラニンは単体で摂取すると、脳細胞を過剰に刺激してしまう危険性が示唆されています。
アセスルファムカリウム(表記はアセスルファムK)
人工的に作られた甘みのある物質、合成甘味料です。
アスパルテームと同じ健康被害や長期的摂取による害が懸念されています。
香料、ポリグルタミン酸
よく化粧品に添加されている成分です。
刺激から肌を守ってくれるため、保湿効果があるとされています。
納豆の粘り気のある部分に含まれている成分でもあります。
パルスイートはダイエットや糖尿病に効果はあるか?
成分を見る限り、ありません。
体の中に糖質が入ってきて血糖値が上がる…これは、通常の食物を食べた時に起きる反応です。
これと同じ反応を起こしてしまうパルスイートは、カロリーはともかくとして体の反応は砂糖と何ら変わることがありません。
合成甘味料の甘さは砂糖よりも強いものです。
そのため、合成甘味料の甘みに慣れてしまうと砂糖の甘みが物足りなくなることがあります。
甘みの刺激によって脳は代謝の命令を出すので、どんどん甘みに慣れていけばどんどん太りやすい体質へと変化していきます。
砂糖よりも刺激の強い甘味料に慣れすぎないように、カロリーゼロだから安心、というのではなく甘みの強さもしっかりとコントロールしたダイエットや糖尿病対策を行ってください。
パルスイートを使ううえで知っておきたいこと
甘味料には、合成甘味料と糖アルコールの2種類があります。
よく言われる「糖尿病にはカロリーレスの甘味料がいい」といわれる甘味料は、区分として「糖アルコール」の甘味料です。
糖アルコールは合成甘味料とは違い、甘みも砂糖程度の強さしかありませんが体に及ぼす作用は穏やかです。
パルスイートは合成甘味料です。
合成甘味料はアミノ酸から作り出された、いわば「糖でないところからの糖」という、たいへん不自然なものになります。
この不自然さのために、自然食を推奨する団体などは合成甘味料を「良くないもの」として非難しています。
合成甘味料は、いまだ発展途上といったほうが正しいでしょう。
本当に健康被害は出ないのか、お腹の赤ちゃんや糖尿病への影響はどの程度あるのかといった大事なことはまだわかっていません。
逆に本当に良くないかどうか、ということもまだ実証されていません。
甘味料があるから甘いものを食べても平気なのではなく、しっかりと甘みそのものをコントロールした血糖値対策のほうが間違いないようです。