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ミカルディスの副作用【降圧薬ARBの作用機序】

高血圧の薬ミカルディス
高血圧という病気は自己症状がほとんど現れないため気づきにくい病気ですが、放置した状態にしておくと、脳血管障害、心疾患、腎疾患に移行する可能性があります。

血圧を下げるための降圧薬には、Ca(カルシウム)拮抗薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)、利尿薬、β(ベータ)遮断薬、α(アルファ)遮断薬の6種類の分類があります。

これらすべてが血圧を下げる目的で使用される薬ですが、血圧を下げる作用機序がそれぞれ異なっています。

今回紹介する薬のミカルディスはこの中のARBに属する薬です。

ARBの作用機序


このARBの薬は、レニン-アンジオテンシン系と呼ばれる血圧上昇機構の一つと深い関わりをもっています。

詳しく説明すると、レニン-アンジオテンシン系で作られたアンジオテンシンⅡという物質AT1受容体とAT2受容体の両方に作用します。

アンジオテンシンⅡがAT2受容体に作用すると、血管拡張、Na排泄促進といった血圧を低下させる作用があるのですが、AT1受容体に作用すると、血管を収縮させるだけでなく、副腎皮質を刺激し、アルドステロンというホルモンを放出します。

このアルドステロンが腎臓の尿細管で働き、ナトリウムの再吸収を促進します。

そうすると体液の浸透圧が高くなり、これを一定にしようとして水の再吸収を促進するホルモンのバソプレシンが脳下垂体後葉からが放出されます。

これら一連の働きが血圧上昇の原因となっているのです。

そのため、ARBはこのアンジオテンシンⅡが主にAT1受容体に作用するのを阻害する薬となっています。

ミカルディスについて


商品名であるミカルディスは、アステラス製薬とベーリンガー製薬から販売されています。

この薬の一般成分はテルミサルタンであり、高血圧と診断された方に使用できる薬です。

ミカルディスの薬の規格は20mg/ 40mg/ 80mgの3規格が存在しており、医師が高血圧患者の血圧の値から規格を選び処方しています。

このほかにも、テルミサルタンとアムロジピンベシル酸塩などの配合剤は存在しますが、テルミサルタンだけの成分の薬は現在、ミカルディスだけとなっています。

この薬の最大の特徴は、口から摂取されたミカルディスは肝臓で代謝され、胆汁と共に胆管、十二指腸に送られ便として排泄される胆汁排泄型の薬ということです。

腎臓から尿として排泄される薬ではないので、腎機能が低下している方にも使用できる薬と言われています。

しかし、この薬は肝臓と深い関係を持っているため肝障害がある方は使用できません。

また、この薬は1日1回の服用で24時間の持続作用が認められているため、基本的には1日1回の処方です。

ミカルディスの副作用


主な副作用には、めまい、ふらつき、発疹、血中尿酸値上昇、頭痛などが挙げられています。

その他、重要な副作用として下記のものがあります。

血管浮腫


顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌など局所的部分が急に腫れる状態です。

高カリウム血症


血中のミネラルの一つであるカリウムの濃度が高くなる状態で、この状態が続くと不整脈や心臓停止になる恐れもあります。

腎機能障害


尿がでない、少ない、むくみなどの症状が現れることがあります。

ショック、失神


血圧低下により失神や意識消失、冷感、嘔吐などの症状が現れます。

黄疸


血液中のビリルビン濃度が上昇し、皮膚や目が黄色くなる症状が現れます。

低血糖


症状としては無気力、倦怠感、動悸、顔面蒼白、症状が重いと意識消失やけいれんとなども現れます。

アナフィラキシー


呼吸困難、血圧低下などの症状が原因物質を摂取すること比較的すぐ現れる症状です。

間質性肺炎


普通の肺炎と少し異なり、肺胞と肺胞の間にある組織に炎症が起きる病気で、発熱や咳息切れ、呼吸困難が症状として現れます。

横紋筋融解症


筋肉を作っている細胞に壊死などが起こり、筋肉の成分が血液中に流れてしまう病気で、これにより筋肉痛や脱力感といった症状が現れます。

上に記載した重大な副作用は0.5%未満、0.1%未満といったまれな副作用ですが、これらの重大な副作用の症状が見られた場合は直ちに処置することが求められています。

また、薬には相性があるので副作用が必ず起きないというリスクのない薬は存在しません。

そのため、薬を飲んだ後に気になる症状が現れた場合には、かかりつけの医師や薬剤師にすぐに相談するようにしましょう。

最後に


今、現在ミカルディスと同成分を使用したジェネリック医薬品は販売されていませんが、2017年の6月頃に販売される予定とのことです。

高血圧薬の中でARBの薬は高価な部類に入るので、ジェネリック医薬品が発売されたら、そちらを使用することで医療費も安くすることができます。

また、血圧を下げ、維持し続けるには薬を忘れずに飲み続けることは大切ですが、バランスの良い食事や運動を行うといった日常生活の基本的なことを正していくことも血圧を下げる上では重要ですので血圧が高い方はそちらも見直してみましょう。