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血糖値を下げる漢方薬とは?【糖尿病に効果のある漢方】

糖尿病は西洋医学の薬(血糖降下薬)を使い、食事療法と運動療法を併用することで血糖を抑制します。

漢方薬は、いったいどのような効果を期待されているのでしょうか。

血糖値を下げる漢方薬

漢方薬に期待されること


糖尿病の予防


糖尿病は、高血糖(血液の中の血糖値が高い状態)が数年続いてから発症するのが一般的です。

高血糖状態を減らし、安定した血糖値をキープすることにより、膵臓の疲弊を防いで糖尿病の発症リスクを減らすことができます。

漢方薬は緩やかに体質改善に働きかけるため、まだ血糖値が高くなり始めた方や、これから糖尿病になるのが心配という方に向いています。

糖尿病による各種症状の緩和


漢方薬は糖尿病になった状態を改善することは難しいです。

というのも、漢方薬は症状を穏やかに改善すること、体質を整えていくことを目標とするものです。

そのため、急な血糖値上昇や糖尿病の合併症など、困った症状が急に起きてしまった時にそれをとどめる力はありません。

糖尿病と診断された方でも、医師の管理のもと、西洋薬と漢方薬を併用することはできます。

その場合は、糖尿病の不快症状である冷えやしびれ、疲労感などの改善や合併症予防に使われることが多いのです。

決してメインの治療法ではなく、あくまで補助的なものだということをご承知おきください。

漢方薬を使う際の注意点


漢方薬は、副作用もあります。

体質によって効果があるものとないものがあるため、自分の体質を一度漢方医にみてもらったうえで使用するとよいでしょう。

もうすでに西洋薬の投薬が開始されている方は、かかりつけの医師の指示を仰いでください。

病院で処方される漢方薬もありますので、相談してみると保険が適応されることもあります。

処方してもらう際は、漢方薬を治療と並行して使いたいことを伝え、医師の判断を仰ぎます。

漢方薬だけで治るわけではないので、運動療法と食事療法、投薬は続けるよう指示されます。

糖尿病治療のために使われる漢方薬は、病院で処方された場合には保険適用となります。


糖尿病に効果のある漢方


八味地黄丸(はちみじおうがん)


高齢者の糖尿病に適応します。

腎機能を強め、内臓の老化に対抗する効果が期待されます。

身体が冷えたり、虚弱がある方に使います。

水分代謝が調整できない体質のために起きる症状を改善させます。

血液は水分なので、血液に関する問題は漢方薬では「水」に分類されます。

冷えやすい方は代謝が悪いことがほとんどなので、取り込んだ糖分や脂肪分などのエネルギーを上手に代謝できなかったりします。

余ってしまった糖や脂肪分はそのまま体に蓄積していきますので、代謝を改善することによって糖の代謝も良くしようという考え方です。

疲れやすかったり、下半身が冷えがちだったり、冷えが原因の腰痛があるなどの方に適応します。

食事と食事の間の空腹時に飲みます。

胃腸が荒れやすい方は食後でも大丈夫です。

食間に飲み忘れた場合は食後に飲んでも大丈夫です。

八味地黄丸の副作用


服用時に胃のむかつきが起きたり、食欲不審になったりすることがあります。

ほてりやのぼせがあったり、冬でもすぐに汗を書くような方には向きません。

あまりに虚弱で消化不良や下痢が日常的にある方は、処方に工夫が必要です。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)


肥満症の人に適応します。

糖尿や痛風、動脈硬化症などの代謝異常疾患を予防する働きがあります。

内臓脂肪の多いリンゴ型タイプの肥満の方に使うことが多いようです。

防風通聖散は汗をかかせ、熱を冷まし、便を出させ、尿を排出させるというステップを踏みます。

体の中に蓄積されている余分なものを取り除いて解毒を図ろうという漢方薬です。

余分なものを取り除くことによって体に必要なものだけを残し、代謝を正常に戻します。

食事と食事の間の空腹時に飲むことが勧められています。

防風通聖散の副作用


まれに不眠や動悸が起きることがあるようです。

また、排便が促進されることによる下痢や腹痛なども副作用として挙げられます。

自分に合わないのに飲み続けてしまうと肝機能に影響を及ぼすこともあるので、必ず医師に相談してください。

妊婦さんは飲めません。

また、便通を促す作用があるので普段から下痢がちな人も飲むことはできません。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)


糖尿病そのものではなく、糖尿病性の末梢神経障害や頻尿、しびれ、冷えなど、糖尿病に由来する不快症状の緩和に効果があります。

体力をつけ、水分の循環を良くする作用があります。

糖尿病の末梢神経障害への有効性は臨床試験で明らかにされています。

その治療目的のため、病院で投薬を受けることができます。

牛車腎気丸の副作用


動悸やのぼせ、舌のしびれが出ることがあります。

胃部不快感や食欲不振が出ることもあります。

稀な症状ですが、重い副作用が出ることがあります。

間質性肺炎、肝機能障害などです。

異常を感じた場合はすぐに服薬を中止し、医師の指示に従ってください。

暑がりで体力があり、のぼせ気味の人は使うことができません。

胃腸の弱い方が飲むこともお勧めできません。

白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)


身体の熱を冷ます効果が有るため、多尿や口渇などがある糖尿病の症状の緩和に使われる漢方薬です。

冷えにくく、体力がある人に適用します。

血糖値を下げる効果がある朝鮮ニンジンを配合してあります。

糖尿病の初期症状にも効果があるとされ、予防のために飲むのも良いようです。

白虎加人参湯の副作用


合わない場合は、胃部不快感や食欲不振が起きることがあります。

めったにない副作用ですが、偽アルドステロン症という副作用が報告されています。

複数の薬を飲んでいる場合の飲み合わせの結果として起きることがあります。

偽アルドステロン症は、だるさや筋肉のぴくつき、ふるえ、力が入らないなどの初期異常がみられる症状です。

このような症状がみられたときは飲むのをやめ、医師の指示に従ってください。

妊娠中や出産直後の人、重度の感染症を患っていたり体力低下が著しい人は服用できません。

白虎加人参湯加減方(びゃっこかにんじんとうかげんほう)


白虎加人参湯の生薬の配合を加減してつくられた漢方薬です。

白虎加人参湯の配合から粳米(こうべい)を除き、糖尿病の民間療法として古くから使われている黒豆等を加えて作られた漢方薬です。

糖尿病の改善を目指すほか、膵臓炎の炎症を緩和するなどの目的でも使われます。

血糖値を下げることに特化された漢方薬として注目を集めています。

1型糖尿病には効果があまり望めず、もっぱら2型糖尿病に効果があります。

体質が合う人、合わない人は白虎加人参湯と同様です。

白虎加人参湯加減方の副作用


胃部不快感と食欲不振が起きることがあります。

白虎加人参湯と同じく偽アルドステロン症の報告もありますし、加えてまれにミオパチー(筋疾患)が起きることがあります。

脱力感や筋肉痛、手足のだるさや突っ張りなどが初期症状として挙げられます。

妊婦さんや体の虚弱な人、高齢者は使用前に医師に相談してください。

高血圧や心臓病、腎臓病をお持ちの方には不向きです。